アンパンのアンの空間分布

アンパンを食べるときいつも思うのは、パンの中のアンの空間分布が偏っているので、何処から食べて何処で食べ終えるか迷ってしまう。アンの多い部分から食べ始め、アンの無い部分で食べ終わるか、アンの無い部分を食べてしまってから、アンの多い部分で食べ終わるか、あるいはアンとパンをバランス良く口に含むためにあちこちかじるべきなのか。どのように食べるかは完全に好みの問題であり、感性の問題である。言わば食事のデザインであろう。私は100%ピュア純粋理性で動いているので、こういう問題には困ってしまう。

そもそもアンパンの定義は何だろうか。パンの中にアンが入ってさえいればアンパンなのだろうか。アンパンの価値はアンとパンを同時に口に含むことで生まれる。であれば、常に同時に口に含むことができる状態にあるのが理想的なアンパンであろう。この点に注目すれば、アンとパンを同時に口に含みさえすればそれはアンパンなのであり、必ずしもパンの中にアンが入っているという構造である必要はないと思われる。例えば、食パンをちぎり、アンを乗せ、口に含めば、それはアンパンなのである。

とはいえ、常識的にはパンの中にアンが入っている構造が一般的であるから、その縛りを受け入れよう。重力下でパンを焼くにはどうしてもつぶれてしまい2次元的な円形になってしまうが、無重力状態でパンを焼けば理想的な球形になるだろう。理想状態では球面状のパンの中に球体状のアンが等方的・均質に分布しているものになるだろう。しかしこれでは食べるときに中心核のアンのみの部分が残ってしまい、アンとパンを同時に口に含むという定義から外れてしまう。どうやらアンパンを焼くには重力は必要なようだ。

結局普通の円形のアンパンが理想的だということになるが、アンとパンの2次元的な空間分布としては、多少の密度勾配は許容できるものの、等方的・均質でなければならない。さもないと、私のように感性による好みやデザインが苦手なものにとっては、何処から食べて何処で食べ終わるかという難問を突き付けられ、精神的な苦痛を負ってしまうことになる。

まぁ食べてしまえば忘れるんだけど。でも食べるたびに思うんだよなぁ。だからといってアンパンが嫌いになったりはしないから大丈夫なんだけど。


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